「折戸周治賞」選考結果              2012年2月29日

                                     「折戸周治賞」選考委員会
                                      選考委員長 山田 作衛


選考委員会で慎重な審議を行い、下記の通り決定いたしました。



者 : 該当者なし。


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「戸塚洋二賞」選考結果          2012年2月29日


                                    「戸塚洋二賞」選考委員会
                                     選考委員長 荒船 次郎


選考委員会で慎重な審議を行い、下記の通り決定いたしました。



者:  xメ 正孝 (東京大学宇宙線研究所 教授
       柳田  勉 (東京大学数物連携宇宙研究機構 特任教授


受賞対象:
「レプトン起源の宇宙のバリオン数非対称機構の提唱」


授賞理由:
原子の中心にある原子核を構成する粒子はバリオンと呼ばれ、軽い電子やニュートリノはレプトンと呼ばれる。原子という物質が現在の宇宙になぜ存在するに至ったか、という謎は素粒子の標準理論では解明されていない物理学の大きな課題である。高温の宇宙初期には物質と反物質が同量あったが、宇宙の膨張と共に冷却されると、物質と反物質は殆ど全て対消滅した。現在の宇宙に物質があって反物質が殆ど無いのは、宇宙初期に物質が反物質よりわずかに過剰で、量の非対称性があったためだと考えられている。そのバリオン数の非対称性の生じた原因の研究が重要なのである。それが宇宙初期に大統一理論等によって生じたと考えるのは自然であるが、仮にそのように非対称性ができたとしても、電弱相転移時にゲージ場-ヒグス場の働きにより、対称な状態にもどってしまう。
これに対し、福来・柳田の両氏は共同でレプトンを起源として宇宙のバリオン数非対称性を説明する機構を提唱した。70年代に柳田氏そのほかの研究者が導入したシーソー機構は、後に神岡実験で発見された微小なニュートリノ質量を自然に説明する。この機構では導入された右巻きニュートリノが大きな質量をもつことの反映としてニュートリノ質量が軽いことが説明される。福来・柳田氏は、この右巻きニュートリノの崩壊時に生じるCP非対称性によって宇宙のレプトン数非対称性が生成され、これが電弱相転移時にゲージ場-ヒグス場の働きを通じてバリオン数の非対称性に転化されるという模型を提案した。まだ実験的に検証されてはいないが、現在宇宙のバリオン数の非対称性を説明する最も単純で、有力な模型であり、世界的に多くの研究者に素粒子・宇宙研究の手がかりを与えている。宇宙のバリオン数の非対称性の起源をレプトン数非対称性に求めるこの機構は、通常レプトジェネシスと呼ばれ、バリオン数の非対称性研究に新しい地平を切り開いたものとして高く評価され、戸塚賞に相応しい業績である。

以上


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下記の要領で、表彰式を執り行います。

日   時 2012年3月18日(日)15:00−16:00
会   場 東京大学「小柴ホール」
〒113-0033 文京区本郷7−3−1


表彰式をご観覧ご希望の方は事前のお申込みが必要です。
こちらをご覧ください。